将来のことまで考えて
しかしながらこの定期借地権付きマンション、まだまだ課題が山積しているといのうが実情です。まず問題となるのが、所有者の側に取り壊しと土地の返還期限が決まっているマンションを修繕していく気持ちが果たして湧くのだろうかといくことです。建物は長持ちさせるために、約10年に1度は外壁や屋根、それに設備などに大がかりな修繕を行っていく必要があることは前述したとおりです。これを全く行わない場合、場合によっては20年もたたずに外壁の一部が剥がれおち、屋上から漏水したりしてきます。これを直すのに修繕積立金が必要となるわけですが、「いずれ壊すことが決まっているマンションにお金をかけて修繕するのはもったいない」という意識が芽生えてもおかしくありません。その結果、修繕がないがしろにされる可能性が指摘されています。修繕をしないままほったらかしにしておくと、痛みは増し、気が付いた時にはすでに遅しで期限まで住むことすらできなくなってしまったという危険性があるのです。それにこの物件、契約期間終了後には誰の費用で建物を取り壊すのでしょうか。購入者が全員まだ健在であれば良いのですが、30年も経てば何人かはすでにこの世を去ってしまっていることも考えられます。マンションを相続した方がいれば、その費用は相続人が負担することになりますが、その方たちが建物を壊す費用を確実に負担してくれる状況であるかどうかの保証はどこにもないですよね…。
新しいタイプも出てきたものの…
このような不安を解消するため、契約期間が過ぎた後も賃貸住宅として契約を変更して住み続けられるタイプの物件も出てきています。これは期限が終わっても建物を壊さず地主に返還する契約です。その後は地主が建物を所有し、居住者は店子として生活するものです。これならば建物を壊し更地で変換するタイプと違い、修繕をまったくしないという恐れは少なくなると考えられます。ただし、こういった物件はまだまだ少なく、現実的に期間が満了したときの社会状況や。居住者の状況がどのように変化しているかは今のところ不透明なのが現状です。